アメリカの都市名を聞くとき、「サンフランシスコ」「サンディエゴ」「サンタモニカ」など、冒頭に「サン(San / Santa)」がつく街が多いことに気づきませんか?
この「サン」は一体どういう意味なのでしょうか。
実は、これらの地名にはスペイン語とカトリックの歴史が深く関わっています。今回は、そんな「サン」の由来をわかりやすく解説していきます。
この雑学を要約すると
- 「サン」はスペイン語で「聖◯◯」を意味し、都市名は聖人に由来している
- アメリカ西海岸に「サン」が多いのは、スペイン統治とカトリック布教の影響
- サンタクロースの「サンタ」はスペイン語の「Santa」とは別の由来
「サン(San)」の意味とは?

「サン(San)」はスペイン語で「聖◯◯」=聖人の名前を表しています。
- San(サン)=男性の聖人
- Santa(サンタ)=女性の聖人
つまり「San Francisco(サンフランシスコ)」は「聖フランシスコ」という意味なのです。
フランシスコとは、アッシジの聖フランチェスコ(カトリックの有名な修道士)を指します。
同じように、
- San Diego(サンディエゴ)=聖ディエゴ
- Santa Monica(サンタモニカ)=聖モニカ
という具合に、カトリックの聖人にちなんで名付けられています。
なぜアメリカ西海岸に「サン」が多いのか?
ここで疑問が湧きます。なぜアメリカ、特にカリフォルニア州には「サン」がつく都市名がこんなに多いのでしょうか?
理由はシンプルで、かつてこの地域がスペイン領だったからです。
16世紀以降、スペインはアメリカ大陸を探検・植民地化し、先住民の土地にカトリック教会や伝道所(ミッション)を建てていきました。
その際に、伝道所や入植地には守護聖人の名前がつけられたのです。
その名残が、現代でも「サンフランシスコ」「サンディエゴ」といった都市名に残っているのです。

なるほど!じゃあ『サンフランシスコ』って、もともとはスペイン語なんだね!



そうなの。カリフォルニアにはもともとスペイン人が入ってきて、キリスト教を広めるために町を作ったの。その時、聖人の名前を都市につけたのよ。



じゃあ『サンタモニカ』は女の人の聖人?



その通り!モニカは聖アウグスティヌスのお母さんで、とても信仰深い女性だったの。だから『Santa Monica(聖モニカ)』になったのよ。
有名な「サン」地名の例
アメリカ西海岸だけでなく、中南米やヨーロッパでも「San」「Santa」のつく都市名は数多く存在します。
- San Francisco(サンフランシスコ):聖フランシスコ(イタリアの修道士)
- San Diego(サンディエゴ):聖ディエゴ(スペインの修道士)
- San Antonio(サンアントニオ/テキサス):聖アントニウス
- Santa Barbara(サンタバーバラ):聖バルバラ(殉教した女性聖人)
- Santa Cruz(サンタクルス):聖なる十字架
これを見ると、地名と宗教のつながりが一目瞭然ですね。



たしかにMLBのサンフランシスコジャイアンツとサンディエゴパドレスも西海岸のカリフォルニア州のチームだね!



そうね。サンがつく地名が多いのがよくわかるわよね。
豆知識:サンタクロースの「サンタ」とは違う?
ここでちょっと面白い豆知識を。
「サンタクロース」の「サンタ」も女性の聖人のこと?と思うかもしれませんが、実は違います。
サンタクロースは、オランダ語の「シンタクラース(Sinterklaas)」が英語に変化したもので、聖ニコラウス(Saint Nicholas)に由来しています。
同じく聖人が由来ですが、スペイン語の「Santa」とは別物なんです。
まとめ
- 「サン」はスペイン語で「聖◯◯」を意味し、都市名は聖人に由来している。
- アメリカ西海岸に「サン」が多いのは、スペイン統治とカトリック布教の影響。
- サンタクロースの「サンタ」はスペイン語の「Santa」とは別の由来。
今度アメリカ西海岸を旅行するときには、街の名前がどんな聖人にちなんでいるのか調べてみると、歴史の背景がもっと面白く感じられるはずですよ!