アメリカの映画やドラマで「ピザを頼もう!」という場面が出てくると、ほぼ間違いなく登場するのが「ペパロニピザ」。チーズがとろけた生地の上に、赤いサラミのようなペパロニがずらりと並んだビジュアルは、まさに“ザ・アメリカンピザ”の代名詞です。
でも、なぜアメリカ人にとって「ピザ=ペパロニ」なのでしょうか? マルゲリータやクワトロフォルマッジではなく、どうしてペパロニが圧倒的な支持を受けているのでしょうか?
この記事では、その歴史的背景から文化的理由まで、ペパロニピザ人気の秘密を徹底解説します!
この雑学を要約すると
- アメリカの「ペパロニピザ人気」は、移民文化とアメリカナイズの影響が大きい
- ペパロニは“イタリア風”ではなく、実はアメリカ生まれのトッピング
- ピザチェーンのマーケティングや万人受けする味が、人気を不動のものにした
ペパロニピザとは?意外と知らない“ペパロニ”の正体
まず最初に「ペパロニって何?」という疑問に答えておきましょう。
ペパロニとは:
アメリカ風にアレンジされた辛口のドライソーセージの一種。イタリアの「サラミ」に似ていますが、パプリカやチリパウダーでピリ辛風味に仕上げられた、アメリカ独自の食材です。
ペパロニがピザの王者になった理由
1. 移民文化とアメリカナイズの象徴
ペパロニピザの誕生には、イタリア系移民が大きく関わっています。20世紀初頭、イタリアからアメリカに渡った移民たちは、自国の伝統料理ピザをアメリカで販売し始めました。しかし、アメリカ人の舌に合わせるために、具材は徐々に「辛味のある肉類」へと変化。
そこで登場したのが「ペパロニ」なのです。

本場イタリアでは“ペパローニ”って言葉はピーマンのことなんだけど、アメリカで意味が変わってしまったのよ。



えっ!じゃあ“ペパロニピザ”ってイタリアで注文したらピーマンピザが出てくるの!?
2. 子どもも大人も大好きな“万人ウケ”の味
アメリカでは「ピザパーティー」といえば子どもも大人も集まるイベント。その場で“間違いない味”として選ばれるのがペパロニピザ。チーズのまろやかさとペパロニのスパイシーさが絶妙なバランスで、クセがなく食べやすいのが理由の一つです。
3. 大手チェーンのプロモーション戦略


アメリカのピザチェーン(ドミノ・ピザ、ピザハット、リトルシーザーズなど)は、売上を伸ばすためにシンプルなメニュー展開を重視しました。
その中でもペパロニピザは、
- コストパフォーマンスが良い
- 見た目のインパクトがある
- 大量生産がしやすい
という理由から、メニューの主力として採用され続け、国民的メニューに育ったのです。
実は健康志向と共に減少傾向も…?
ペパロニピザが不動の人気を誇る一方で、最近のアメリカでは健康志向の高まりにより“ベジピザ”や“グルテンフリー生地”が選ばれる機会も増えています。



今はサラダピザとか、カリフラワー生地のピザもあるんだって!



そうね、でもペパロニピザは“ごちそう感”があるから、やっぱり特別な日に選ばれやすいの。
ペパロニピザの豆知識
①ペパロニは、アメリカ人が最も好きなピザトッピングランキング1位(2023年調査:YouGovより)
②ペパロニはイタリア語ではなく、英語由来の造語!
本場イタリアでは“ペパロニ”というサラミは存在せず、アメリカで生まれたオリジナル商品です。
イタリア語のピーマンの複数形「peperoni」から来ており、パプリカやトウガラシなどのスパイスが使われていることから派生しました。
③ペパロニをのせるタイミングは“焼く前”が基本。焼くことで脂が出て香ばしさが増します。
まとめ
- アメリカの「ペパロニピザ人気」は、移民文化とアメリカナイズの影響が大きい
- ペパロニは“イタリア風”ではなく、実はアメリカ生まれのトッピング
- ピザチェーンのマーケティングや万人受けする味が、人気を不動のものにした
ペパロニピザの人気の裏には、単なる「好み」の問題を超えた歴史と文化の交差点がありました。次にピザを注文するときは、そんな背景を思い出してみると、いつもより一層美味しく感じるかもしれませんね!