この雑学を要約すると
- 草食動物の胃袋の中には草からたんぱく質を生成する細菌がいるため
- 草や果物が主食のゴリラも腸内にたんぱく質を生成する微生物がいる
- 竹が主食のパンダは大量に摂取することで栄養を得ている
馬をはじめとした草食動物は草しか食べないのに筋肉質でムキムキなことに疑問を持ったことはありませんか?
人間は筋肉をつけるには肉をはじめとしたたんぱく質の摂取が必要で、補助食としてプロテインを飲んだりもします。当然肉は食べない草食動物になぜあそこまで筋肉がつくのか、その理由について解説していきます。
筋肉はどのようにつくのか
筋肉(筋繊維)の数は生まれた時から決まっており、その筋繊維が太くなることで筋肉が大きくなっていきます。
筋繊維は少し動かしただけでも傷ついたり切れたりします。その切れた筋繊維はたんぱく質によって補修され、切れる、補修するを繰り返すことで徐々に強い筋繊維が作られ太くなっていきます。
筋繊維を補修する役目を持つたんぱく質は20種類のアミノ酸から構成されています。
人の場合、たんぱく質を摂取するとアミノ酸に分解され、吸収されたあとに体に必要なたんぱく質として再合成されます。
草食動物に筋肉がつく理由は胃袋にあった!
馬やサイ、バイソンなどの草食動物は草しか食べないのになぜあんなに大きな筋肉があるのでしょうか。
人の場合は筋肉をつけるときはたんぱく質を摂取することが必要になってきますが、草食動物はその栄養源である肉をもちろん食べないため、食べ物からは摂取できません。
ではどのようにたんぱく質を得ているのかというと、なんと胃袋の中でたんぱく質を生成しているのです。
草食動物の胃の中にいる細菌がたんぱく質のない草から作り出して吸収しているため、草食であってもあのような筋肉をつけることができるのです。
毎日大量の肉やプロテインを摂取しているボディービルダーからしたらとても羨ましい体の構造をしていますよね。その細菌自分の胃袋にもくれと思ってしまうんじゃないでしょうか笑
ゴリラにも同じような微生物がいる
草や果実が主食のゴリラも食べたものを分解し、筋肉を作るアミノ酸を合成する微生物が腸内に存在しています。
また、1日の食事量が30kgと膨大なため、多くのアミノ酸が合成され、あのような肉体が作られるということになります。
パンダも同じ仕組み?
パンダの主食は竹(草食)であるため、あんなに大きくなるのは同じ理由なのかと思いきや、生物としては肉食性の強い雑食動物のため、同じような微生物は体内にいません。
彼らは単純に栄養価の低い竹を1日に大量(12~38kg)に摂取し、栄養を確保しています。
竹の繊維の部分は消化できないため、なんと糞の量は食べた竹の80%が排泄されてしまいます。1日に大量に食べなければならない理由も納得ですよね。
このような食生活になったのは、天敵や餌の競争を避けて1年を通して枯れない竹が豊富にある中国の山岳地帯へ移ったことが理由とされています。
生存競争から身を守るために食べるものを無理する生活を選んだ珍しい動物なんですね。
まとめ
・草食動物の胃袋の中には草からたんぱく質を生成する細菌がいるため
・草や果物が主食のゴリラも腸内にたんぱく質を生成する微生物がいる
・竹が主食のパンダは大量に摂取することで栄養を得ている