プロ野球やメジャーリーグの試合を観ていると、「リリーフピッチャー(中継ぎ・抑え投手)」が登板して、たった1イニングで交代することがよくあります。
「もうちょっと投げればいいのに…」と思ったこと、ありませんか?
実はそこには、野球というスポーツの戦略や、投手の身体的な限界、そしてチームの勝利に直結する“鉄のルール”が関係しているのです。
今回は、なぜリリーフピッチャーが基本的に1イニングしか投げないのか、深掘りして解説します!
この雑学を要約すると
- リリーフピッチャーは「全力投球型」なので1イニングが限界
- 現代野球は分業制が主流で、1人1イニングの流れが定着
- 投手の肩を守るためにも、1イニング限定の登板が基本
そもそもリリーフピッチャーって?
リリーフピッチャーとは、先発投手がマウンドを降りた後に登板する「救援投手」のこと。役割は大きく5つに分かれます。
- ミドルリリーフ:先発投手と抑えの投手の間を1イニング担当する投手
- ロングリリーフ:先発が早々に降板した時に長いイニングを投げる中継ぎ
- ワンポイントリリーフ:特定の打者1人を打ち取るために救援として登板する(左打者に対して左投手を起用など)
- セットアッパー:試合終盤に勝ち試合をキープする
- クローザー(抑え):9回に登板して試合を締めくくる
なぜ1イニングだけ?主な理由3つ

理由①:全力投球に耐えるのは1イニングが限界
リリーフピッチャーは、基本的に「全力投球型」です。
1イニングを100%の力で抑えるため、球速は先発投手よりも高く、球種も決まったパターンに絞るケースが多いです。
豆知識
メジャーリーグの平均球速は、
- 先発投手:約92マイル(約148km/h)
- リリーフ投手:約95マイル(約153km/h)
このスピード差が体への負担を物語っています。

えっ、たった1イニングで限界?プロなんだからもっと投げられるんじゃ…



たしかに体力的には投げられるわ。でも“全力で打者一巡”を想定したピッチングは、次の回には通用しにくくなるの。打者の“見慣れ効果”が出ちゃうのよ。
補足:見慣れ効果とは?
打者が同じ投手の球を複数回見ると、球種の癖やコースが予測しやすくなり、打たれやすくなる現象。だから1イニング限定が鉄則なんです。
理由②:分業制が進んだ現代野球のトレンド
1990年代以降、プロ野球・メジャーともに「投手分業制」が定着しました。
つまり、試合を
「先発 → 中継ぎ → 抑え」
という役割ごとに分け、各投手の負担を最小限にするという考え方です。
特に勝っている試合では、
- 7回:セットアッパー
- 8回:セットアッパー2
- 9回:クローザー
の“勝利の方程式”を使い、1イニングずつしっかり抑えるのが常識。
リリーフが無理に2回以上投げて崩れたら、これまでの苦労が水の泡。最も安全なのが1イニング限定というわけです。
理由③:投手の消耗とシーズン管理
リリーフピッチャーは、登板頻度が高いという特徴があります。
1シーズンで70試合以上投げることもあり、連投や短期間の登板が前提。
もし毎回2〜3イニング投げていたら、数週間で肩が壊れてしまいます。
そのため、1イニングに絞って負担を分散し、選手生命を守っているのです。
じゃあ、たまに2イニング投げることがあるのはなぜ?
- 延長戦やブルペン不足
- 明らかに相性が良い場合(右打者に強い投手が続けて右打者と当たる)
- セットアッパーが不調で“つなぎ”が必要なとき
など、非常事態や戦術上の判断で、1イニング以上登板することもあります。
ただしそれはあくまで“イレギュラー”。
リリーフピッチャーに向いている人は?
アマチュアや草野球でも「中継ぎ専門」が存在します。
特徴としては:
- 一球一球に力を込められる短気集中型
- コントロールより球威や変化球勝負
- 精神的にタフ(ピンチで登板することも多い)
こういう人は、リリーフとして活躍できる可能性アリ!
まとめ
- リリーフピッチャーは「全力投球型」なので1イニングが限界
- 現代野球は分業制が主流で、1人1イニングの流れが定着
- 投手の肩を守るためにも、1イニング限定の登板が基本
「なんで1イニングしか投げないの?」という疑問の裏には、勝利と選手の寿命を守るための深い戦略があるのです。
プロの世界では、1球1球にかける重みが違いますね!
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