街を歩いていると、いたるところで見かけるタクシー。
私たちは無意識のうちに「車=ガソリンで走る」と思いがちですが、実は多くのタクシーはガソリンではなくLPガス(液化石油ガス)で動いています。
「え、そうなの!?」と驚く人も多いこの事実。今回はその理由や仕組みをわかりやすく解説します。
この雑学を要約すると
- 多くの日本のタクシーはLPガスで走っている
- 燃料費の安さ・エンジン寿命の長さ・環境性能が採用理由
- 安全性はガソリン車と同等以上で、都市部に専用スタンドがある
そもそもLPガスって何?
LPガス(Liquefied Petroleum Gas)は、主にプロパンやブタンを液化した燃料です。
家庭用ガスコンロや給湯器にも使われていますが、実は自動車用燃料としても歴史が長く、日本では1950年代から使われています。
- 特徴
- 無色・無臭(安全のために臭いを付けている)
- 圧力をかけて液化させ、タンクに貯蔵
- 燃焼時のCO₂や有害物質の排出がガソリンより少ない
なぜタクシーはLPガス車が多いのか?

理由は大きく分けて3つあります。
- 燃料コストが安い
LPガスはガソリンに比べて1リットルあたりの価格が安く、長距離・長時間運行するタクシーにとって大きなコスト削減になります。 - エンジンの寿命が長い
LPガスは燃焼がクリーンで、エンジン内部の摩耗や汚れが少ないため、車両寿命が長くなります。
タクシー会社にとって、車が長持ちするのは大きなメリットです。 - 環境に優しい
ガソリンに比べてCO₂排出量が少なく、硫黄酸化物や黒煙の排出もほとんどないため、都市部の空気環境改善にも貢献します。

タクシーってガソリン車だと思ってたよ!



ふふっ、実は日本のタクシーの多くはLPガス車なんだよ。



なんでわざわざガソリンじゃない燃料を使うの?



ランニングコストが安くて、エンジンも長持ちするから。しかも環境にも優しいんだよ。



なるほど!じゃあ僕の車もLPガスにしたら節約できる?



節約はできるけど、LPガススタンドの少なさ、ガスタンクによるトランクスペースの圧迫で不便になるのは間違いないわ。
LPガス車の安全性
「ガスって危なくないの?」と思うかもしれませんが、LPガス車は厳しい安全基準で設計されています。
- タンクは強固な鋼製で、衝突時にも破損しにくい
- ガス漏れ検知装置や安全弁を搭載
- 定期的な車検・点検で安全性を維持
実際、LPガス車が原因の重大事故は極めて少なく、むしろガソリン車と同等かそれ以上に安全です。
豆知識:LPガススタンドはどこにある?
LPガス車は専用の「LPガススタンド」で燃料補給を行います。
一般的なガソリンスタンドと比べると数は少ないですが、都市部ではタクシー会社の車庫や専用スタンドが多く設置されています。
最近の動き:電動化の波
近年はタクシー業界にもハイブリッド車やEV(電気自動車)の導入が進んでいます。
それでも、LPガス車は経済性と耐久性から依然として根強い人気があります。
特に長距離運行を続ける地方タクシーでは、まだまだ現役です。
まとめ
- 多くの日本のタクシーはLPガスで走っている
- 燃料費の安さ・エンジン寿命の長さ・環境性能が採用理由
- 安全性はガソリン車と同等以上で、都市部に専用スタンドがある
普段何気なく乗っているタクシーですが、私たちの快適な移動だけでなく、都市の空気をきれいに保ち、コストを抑える工夫がされているのです。
これから電気自動車やハイブリッド車が増えていく中でも、LPガス車はまだまだ現役。次にタクシーに乗ったときには、「この車はLPガスで走っているのかな?」とちょっとした視点を持つと、移動時間がもっと面白く感じられるかもしれません。