「地図を見ると、国境が直線の国もあれば、まるで川のように曲がりくねった国もある……」
そんな疑問を持ったことはありませんか?
実はこの“線”の形には、その国の成り立ち・地形・歴史的背景が深く関わっています。
今回は、国境線の形がなぜ国によって違うのかを、わかりやすく解説します。
この雑学を要約すると
- まっすぐな国境線は、植民地時代にヨーロッパ列強が「地図上で」引いた人工的な線
- ぐねぐねした国境線は、山や川などの自然の境界をもとに決まった
- 国境線の形には、その国の歴史・文化・地理的特徴が反映されている
まっすぐな国境線は「人の手」で作られた

まっすぐな国境線は、自然にできたものではなく、人間が地図上で引いた線です。
特にアフリカや中東の国境線を見てみると、まるで定規で引いたような直線が多く見られます。
これは19世紀の「植民地時代」にさかのぼります。
ヨーロッパの列強(イギリス・フランス・ドイツなど)は、アフリカを自分たちの植民地として分割する際、現地の民族や地形を無視して、地図上で「ここからここまで」と線を引いてしまったのです。
有名なのが、1884〜1885年に行われたベルリン会議。
ヨーロッパ諸国がアフリカの領土を分け合う際、実際に現地を見ずに、経線や緯線に沿って区切りました。
その結果、たとえばエジプトとスーダンの国境やナミビアとボツワナの国境などは、ほぼ一直線になっています。
一方、「ぐねぐねした国境」は自然が作ったもの

ぐねぐねした国境線は、山・川・海などの自然の地形をもとにして引かれたものです。
ヨーロッパやアジアでは、古くから人々が定住しており、自然の障壁が国の境界になっていきました。
例えば、
- フランスとスペインの国境はピレネー山脈
- 中国とベトナムの国境は山地や川沿い
といったように、自然の形に沿って「ぐねぐね」しているのです。
マナブまっすぐの方が分かりやすいのに、なんでぐねぐねの国境があるの?



それはね、昔の人たちは“自然の境”を大切にしていたからよ。山を越えるのは大変だし、川を渡るのも危険。だから“ここまでがうちの土地”って自然と決まっていったの。



なるほど。じゃあアフリカの直線の国境は、外から来た人が“勝手に決めた線”なんだね。



そう。だから今でも民族の分断や紛争の原因になっているのよ。
歴史の名残としての「不自然な直線」
直線の国境は、当時の支配国の“都合”によって決められたものでした。
たとえばアフリカでは、同じ民族が2つの国に分かれて暮らすことも珍しくありません。
それが、現在まで続く政治的・民族的な対立の火種になることもあるのです。
一方で、自然にできた「ぐねぐね国境」も問題を抱えています。
川の流れが変わったり、氷河が後退したりすると、国境線の位置が変わることもあるため、定期的な調整が必要になります。
豆知識:世界一「まっすぐな国境」と「ぐねぐねした国境」
最もまっすぐな国境: アメリカとカナダの国境(約8,891kmのうち、北緯49度線に沿った部分は2,000km以上が直線!)
最もぐねぐねした国境: インドとバングラデシュ。かつては飛び地(他国に囲まれた小さな領土)が100か所以上もあり、複雑すぎて住民も混乱していました。
もし旅行するなら「国境の見える場所」も面白い!
例えば、フィンランドとスウェーデンの国境には、川の上に架かる橋の真ん中に国境線があります。
橋を一歩渡るだけで、国が変わる不思議な体験ができるんです。
旅行好きな人には、こうした「国境スポット巡り」をテーマにした旅もおすすめです。
まとめ
- まっすぐな国境線は、植民地時代にヨーロッパ列強が「地図上で」引いた人工的な線。
- ぐねぐねした国境線は、山や川などの自然の境界をもとに決まった。
- 国境線の形には、その国の歴史・文化・地理的特徴が反映されている。
国境の線ひとつを見ても、その背後には人類の歴史や争い、自然との関わりが隠れています。
世界地図をぼんやり眺めているだけでも、実は奥深い物語が詰まっているんです。








