高層ビルの近くを歩いていて、急に突風のような風にあおられて驚いたことはありませんか?
この風、実は「ビル風(ビルかぜ)」と呼ばれ、都市部特有の現象です。
この記事では、ビル風が発生する原因やその仕組みをわかりやすく解説しながら、あなたが街中で安全に過ごすためのヒントもお届けします!
この雑学を要約すると
- ビル風は「ベンチュリ効果」「ダウンウォッシュ」「乱流」が主な原因
- 都市設計ではビル風対策として風環境をコントロールする工夫がされている
- 風が強い日はビルの間や角を避けて歩くのが安全対策になる
ビル風とは?:都市に潜む突風の正体
「ビル風」とは、高層ビルの周辺で発生する強い風のこと。
特にビルの間を通るときや、ビルの角に差しかかった瞬間に突風のような風が吹くことがあります。
この現象には、都市の構造と空気の流れが深く関係しています。
なぜビル風が起こるのか?そのメカニズム
ビル風の原因は、主に以下の3つの現象によって説明されます
① 風の加速効果(ベンチュリ効果)
2つの高層ビルの間に隙間があると、そこに風が集中して通り抜けます。
空気の通り道が狭くなると風速が増す「ベンチュリ効果」が働き、風が一気に加速します。
② 風の下降(ダウンウォッシュ)
高いビルに風がぶつかると、一部の風は下向きに押し流されます。これが「ダウンウォッシュ」。
地上に強い風を発生させ、歩行者を驚かせる原因に。
③ 風の巻き込み(乱流)
ビルの角や周囲で風が乱れて渦巻きのようになることがあります。これにより、不規則で突発的な風(乱流)が発生します。

昨日ビルの近くを歩いてたら、急にすごい風が吹いてきてさ!飛ばされそうだったよ…



それはビル風ね。高層ビルがある場所では、風の通り道が複雑になるから、普通の場所よりずっと強い風が吹くことがあるのよ。ビルが“風のトンネル”を作っていると思えばいいわね。



へぇ~、風ってそんなにビルの影響を受けるんだ!自然と建物の組み合わせって面白いね!
ビル風が与える影響
ビル風は都市の美観や快適性に影響を与えるだけでなく、安全面でも注意が必要です。
- 自転車がふらついて転倒する
- 傘が壊れる、飛ばされる
- 看板などが吹き飛ばされる危険性
特に冬場は体感温度が大きく下がるため、服装にも注意が必要です。
ビル風対策ってされてるの?
実は、都市設計ではビル風の緩和策も検討されています。
- 建物の形状を工夫(角を丸くするなど)
- 風除け壁や植栽を設置
- ビルの下部に空洞を設けて風の通りを和らげる設計
これらは「風環境設計」と呼ばれ、都市の快適性を高める工夫の一部です。
東京・六本木ヒルズの工夫


たとえば東京の六本木ヒルズでは、ビル風対策として、風の流れを可視化したコンピュータシミュレーションを用いた設計がされています。
ビルの角を丸くし、木や植栽で風を拡散させることで、歩行者の快適性を確保しているのです。
まとめ
・ビル風は「ベンチュリ効果」「ダウンウォッシュ」「乱流」が主な原因
・都市設計ではビル風対策として風環境をコントロールする工夫がされている
・風が強い日はビルの間や角を避けて歩くのが安全対策になる
「今日こんなに風強かったっけ?」という疑問は、実は都市の仕組みと深く関わっていたんですね。