この雑学を要約すると
- アヒルはカモの品種のひとつ
- カルガモはカモとアヒルとは別の種
- カルガモが人間を警戒しないのはアヒルと交雑したため
カモ、アヒル、カルガモの違いは何となくわかるけど、詳しくはわからない・・・という方に向けて、簡単に解説していきます。
カモとアヒルとカルガモの違い
カモ(マガモ)は北半球に分布する鳥で、体色はメスは全身が黒褐色で、オスは繁殖期に色が変わります。繁殖期は頭が緑色に白い首輪、灰白色と黒褐色の胴体をしています。非繁殖期は似た羽色になりますが、クチバシの色がメスは橙、オスは黄色のため識別できます。
また、古来から食用として狩猟が行われています。
アヒルはカモ(マガモ)を原種とする家禽(人間に飼育されている鳥)で、生物学的にはマガモと同種で、マガモの品種の一つになります。
ヨーロッパや中国で野生のマガモを食用、採卵、羽毛の利用を目的として飼育し始めました。アヒルと聞いてよくイメージされるのはナキアヒル(コールダック)という種類で、飼育をしやすくするために茶色より視認性の高い白色の個体を増やしていったため、白色になったとされています。また、飼いならしていくうちに体が重くなり、数メートルしか飛べなくなりました。
アヒルは漢字で書くと”家鴨”となり、この字からも人間に飼育されたカモであることがわかりますよね。
カルガモはマガモ、アヒルと同じマガモ属に属しますが、種がマガモではなく、カルガモになります。分布は中国、韓国、日本周辺だけに分布しており、体色は頭頂部と背中から腰にかけて黒褐色になっています。
つまり、カモとアヒルは同じ種で、アヒルはカモの品種の一つ、カルガモはカモとアヒルとは別の種ということになります。
アヒルはカモ猟のおとりとしても使われている
家禽として飼われているアヒルはカモ猟の時のおとり(デコイ)としても使われていました。生きたおとりを池などに放し、餌をついばんだり、鳴いたりすることで獲物を安心させて呼び寄せることができるためです。
「おとり」という言葉の語源はこれに由来しており、「招鳥(おきとり)」→「おとり」となったとされています。
また、”カモにされる”という言葉は、だましやすい相手として利用されることを意味しますが、この語源は、昼間にいた場所に次の日の明け方に餌を取りにまた戻ってくるカモの習性を利用して大群を簡単に捕らえることができることからきています。
カルガモはなぜ人間を警戒しないのか?
カルガモといえば、親子で列をなして道路などを歩いている光景をイメージされると思います。ではなぜ人間の生活圏で警戒することなく生息することができるのかというと、飼育されていたアヒルが野生化し、そのアヒルとカルガモが交雑し、それによって人間を恐れなくなったと考えられています。
外見はカルガモの遺伝が強いため、見た目はカルガモですが、性格はアヒルのように人間に警戒しなくなったのが理由とされています。
まとめ
・アヒルはカモの品種のひとつ
・カルガモはカモとアヒルとは別の種
・カルガモが人間を警戒しないのはアヒルと交雑したため