「夫婦別姓になったら、子どもの名字ってどうなるの?」
結婚を考えているカップルや、将来的に子どもを持つことを視野に入れている人にとって、子どもの姓の扱いは重要なテーマです。
この記事では、現在の法律と実際の手続き、さらにちょっとした豆知識まで、わかりやすく解説していきます。
この雑学を要約すると
- 日本では事実婚なら姓を別々にできるが、子どもの姓は母親になるのが基本
- 子どもに父の姓を与えるには「認知」+「家庭裁判所での申立て」が必要
- 名字が異なることで生じる不便を避けるためにも、事前の計画と法的な確認が重要
夫婦別姓はまだ法律上選べない
まず前提として、現在の日本では、夫婦同姓が法律で義務付けられています(民法750条)。
つまり、結婚するときには夫か妻、どちらかの姓に統一する必要があるのです。
ただし、結婚後も仕事上は旧姓を使う「通称使用」や、戸籍は別でも事実婚という選択肢を取るカップルも増えています。
事実婚や夫婦別姓の場合、子どもの姓はどうなる?
本ここで本題です。法律婚と事実婚、それぞれのケースで子どもの姓がどうなるのか、見ていきましょう。
【法律婚(夫婦同姓)】
- 子どもは自動的に親と同じ姓になります。
- たとえば、夫の姓「佐藤」に統一していれば、子どもも「佐藤」になります。
【事実婚(戸籍を別にして夫婦別姓を維持)】
- 子どもは母親の戸籍に入ることが一般的です。
- そのため、子どもの姓は基本的に母親の姓になります。
- ただし、認知をすることで父親の姓を名乗ることも可能です。
- 戸籍の編成には家庭裁判所の手続きが必要になる場合も。

事実婚だとそんなに複雑なんだ…



そうだね。日本では戸籍制度がベースになっているから、法律婚と事実婚で扱いが違ってくるのよ。子どもの姓をどうしたいかによって、選ぶ結婚の形も変わるかもしれないね。
「名字が違うと不便」は本当?
実際、子どもと親で名字が違うと、学校や病院、旅行先の手続きで戸惑うことがあるのは事実です。
とくに海外旅行でのパスポート申請や入国時などは、親子関係を証明する書類が必要になることも。
ちょっと役立つ豆知識!
子どもの名字を変更するには、「家庭裁判所での申し立て」が必要になります。
例えば、離婚後に母親が親権を持ち、旧姓に戻ったとしても、子どもの姓は自動的には変わりません。変更には課t利裁判所に「氏の変更許可申立書」の提出が必要なのです。
父親の名字にしたい場合はどうすればいい?


事実婚を選んだうえで、子どもに父の姓を名乗らせたい場合は、以下の流れになります。
- 父親が子どもを「認知」する
- 母の戸籍に入った子どもの姓を、父の姓に変更する手続きを家庭裁判所に申し立てる
- 裁判所の許可が下りれば、役所で戸籍変更の手続き



名字ひとつでもこんなに手間があるなんて…



子どもの将来のためにも、事前にしっかり考えておくのが親の務めよ。
海外の国と子どもの姓の扱い
アメリカ
- 夫婦別姓:可能(自由に選べる)
- 子どもの姓:両親が自由に決定可能
- 父親の姓、母親の姓、ダブルネーム(例:Smith-Johnson)などが選べます。
- 例:「父:Smith」「母:Johnson」→子ども:「Smith」「Johnson」「Smith-Johnson」いずれもOK
ドイツ
- 夫婦別姓:可能
- 子どもの姓:親がどちらの姓にするかを選択
- 最初の子どもの姓を決めたら、その後に生まれる子どもはすべて同じ姓に統一するルールあり。
- 例:最初の子が「Müller」→次の子も「Müller」でなければならない。
フランス
- 夫婦別姓:原則的に別姓(結婚しても姓は変わらない)
- 子どもの姓:両親の合意で選択可能
- 父の姓、母の姓、またはハイフンでつないだ複合姓も可(例:Dupont-Martin)
- 合意が取れない場合は、法律で定められた優先順位で決定されることも
アイスランド
- 夫婦別姓:家族で共通する姓が存在しない
- 子どもの姓:父(または母)の名前+son/dóttirが使われる
- 父親の名前が「Jón(ヨウン)」なら、その子供が男の子であれば「Jónsson(ヨウンソン)」、女の子なら「Jónsdóttir(ヨウンスドッティル)」になる
- 男の子にRóbert(ロバート)と名付けたらRóbert Jónsson、女の子にHarpa(ハルパ)と名付けたらHarpa Jónsdóttirになる
詳しくはこちら
【驚きの文化】アイスランドには“姓”がない!? 知られざる名前の秘密とは
まとめ
・日本では事実婚なら姓を別々にできるが、子どもの姓は母親になるのが基本
・子どもに父の姓を与えるには「認知」+「家庭裁判所での申立て」が必要
・名字が異なることで生じる不便を避けるためにも、事前の計画と法的な確認が重要
「これから家族を築く人」「夫婦別姓に関心がある人」「子どもの将来を真剣に考えたい人」のお役に立てれば幸いです。