「和牛って日本で育てられた牛のことでしょ?」
そう思っているあなた、それはちょっと違うかもしれません。実は、「和牛」という言葉には深い定義があり、国産かどうかだけでは語れないのです。
今回は「和牛=国内で育てられた牛」という思い込みを覆す、和牛の本当の定義と驚きの事実をお届けします。
知っているようで知らない和牛の世界、一緒にのぞいてみましょう!
この雑学を要約すると
- 和牛とは、日本固有の4品種に限定された品種名であり、「国産牛」とは意味が異なる
- 和牛の血統を持った牛は海外にも存在し、“wagyu”と称されることがある
- “本場の和牛”を食べたい場合は、日本で育てられた黒毛和牛などを選ぶのが確実
和牛とは?国産牛とはどう違うの?
まず最初に整理しておきたいのが、「和牛」と「国産牛」の違いです。
和牛とは、日本固有の4品種に限定された牛のこと。
この4品種とは以下の通りです。
- 黒毛和種(くろげわしゅ)
- 褐毛和種(あかげわしゅ)
- 日本短角種(にほんたんかくしゅ)
- 無角和種(むかくわしゅ)
これらの牛は、サシ(脂の入り方)や肉質のやわらかさ、旨味が特徴で、特に高級ブランド牛に使われることが多いです。
一方、国産牛とは「日本国内で育てられた牛」という意味で、品種は問われません。
たとえば、ホルスタイン種(乳牛)を食用に育てた場合でも、日本で育てれば「国産牛」になります。

和牛は“品種名”、国産牛は“育った場所”のこと。全然意味が違うんだよ!



えっ!?じゃあ和牛って海外で育てられた牛でも“和牛”って名乗れるの?



その通り。海外でも“和牛の血統”を持った牛が育てられているんだよ。
海外産の“和牛”が存在する理由
1980年代〜90年代にかけて、日本の和牛の種牛や受精卵がアメリカやオーストラリアに輸出されたことがあります。
それをもとに、海外で和牛の血統を持つ牛が繁殖・肥育されているのです。
つまり、「和牛=日本育ち」とは限らないというわけ。
たとえば、「アメリカン和牛」や「オージー和牛」などと呼ばれ、これらも黒毛和種の血統を引いています。
日本で育っていないため「国産和牛」ではありませんが、和牛の一種として扱われることがあります。
なぜ海外で和牛が育てられているの?
和牛はその脂の質や旨味から、世界的に高級肉として人気があります。
そのため、日本以外でも生産を試みる動きが活発なのです。
海外で育てられた和牛は、飼料や育て方が異なるため、風味や食感に差があることも。
「本場の和牛」にこだわるなら、日本国内で育てられた黒毛和牛を選ぶのがポイントです。



和牛って品種の名前だったんだね。場所じゃないって意外だった!



そうそう。スーパーやレストランで“和牛”と書いてあっても、“国産”かどうかは別だから、ラベルをよく見るといいよ。



よし、今度ステーキ食べるときは“国産黒毛和牛”を探してみる!
豆知識:ラベルの見方
スーパーなどで販売されている牛肉には「個体識別番号」が記載されていることがあります。
この番号を農林水産省の【牛の個体識別情報検索サービス】で検索すれば、「どこで生まれ、どこで育った牛なのか」が確認できます!
ちょっとしたひと手間で、より安心・納得のいくお肉選びができますよ。
まとめ
・和牛とは、日本固有の4品種に限定された品種名であり、「国産牛」とは意味が異なる
・和牛の血統を持った牛は海外にも存在し、“wagyu”と称されることがある
・“本場の和牛”を食べたい場合は、日本で育てられた黒毛和牛などを選ぶのが確実
気になるお肉の表示、今日からちょっと見方が変わるかもしれませんね。
次の買い物では、ぜひ「和牛」の奥深さを思い出して選んでみてください!